Galanin-like Peptide  

初めての2型Galanin 受容体 GALR2 選択的アゴニスト

Galanin は中枢神経系と消化管に広く分布するペプチドで、摂食調節作用を含め種々の作用を持っています。ヒトの galanin は 30 アミノ酸残基からなり摂食刺激作用があります。Galanin の受容体には主に2つのサブタイプがあります。このうち、1型 galanin 受容体(GALR1) は adenylate cyclase 阻害を介して作用を示し、2型 galanin 受容体(GALR2) は phospholipase C を刺激して作用を示します[Eur. J. Pharmacol., 440, 255 (2002)]。また、GALR1 は中枢神経系に主に存在しますが、GALR2 は中枢神経系だけでなく末梢神経系にも存在します。さらに、中枢神経系における2つの受容体サブタイプの mRNA は分布が異なると報告されています[J. Chem. Neuroanat.,19, 265 (1999), Clin. Exp. Pharmacol. Physiol., 28, 100 (2001)]。

Galanin-like Peptide (Human, 1-60):

    Ala-Pro-Ala-His-Arg-Gly-Arg-Gly-Gly-Trp-Thr-Leu-Asn-Ser-Ala-Gly-Tyr-Leu-Leu-Gly-
    Pro-Val-Leu-His-Leu-Pro-Gln-Met-Gly-Asp-Gln-Asp-Gly-Lys-Arg-Glu-Thr-Ala-Leu-Glu-
    Ile-Leu-Asp-Leu-Trp-Lys-Ala-Ile-Asp-Gly-Leu-Pro-Tyr-Ser-His-Pro-Pro-Gln-Pro-Ser

1999年、武田薬品工業のグループは GALR2 に対する特異性の高いリガンドをブタの視床下部に見いだしました。同時に、彼らはラットとヒトの cDNA を探索し、このリガンドに相当する構造を持つペプチドの一次構造を提唱しました [J. Biol. Chem., 274, 37041 (1999)]。この新規ペプチドはアミノ酸 60 残基からなり galanin-like peptide (GALP)と命名されました。このペプチドの (9-21) 位のアミノ酸残基 GALP (9-21) は galanin (1-13) と同一構造であり、種差を越えて高いホモロジーがあります。125I-ラット galanin をリガンドとして、ブタ GALP の受容体サブタイプ親和性をみると、GALR2 に対する IC50 は 0.24 nM であるのに対し、 GALR1 に対する IC50 は 4.3 nM であり、GALP は GALR2 に対する選択性の高いことがわかりました。この GALP はラットにおいて摂食亢進作用を示します [Neurosci. Lett., 322, 67 (2002)]。また、GALP 発現は leptin による調節作用を受けます[Endocrinology, 141, 2703 (2000)]、 さらに GALP が脳血管関門を容易に通過すること[Neuroendocrinology, 74, 423 (2001)]などの興味深い知見も報告されています。

ヒト型 GALP を用いた研究の今後の進展に期待が集まっていますが、GALP に関する総説が既に2つ報告されており[Eur. J. Pharmacol., 440, 255 (2002), Clin. Exp. Pharmacol. Physiol., 28, 100 (2001)]、 GALP は摂食調節に必須なペプチドとして認知されるのではないかと注目されています。

コード 製品名 包装・容量
4391-s Galanin-like Peptide (Human, 1-60) 0.1 mg vial

関連製品

コード 製品名 包装・容量
4245-v Galanin (Human) 0.5 mg vial
4244-v Galanin (Rat) 0.5 mg vial


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