デオキシフルクトシルペプチド 2018/12/11

グルコースなどの還元糖は、生体内でタンパク質のアミノ基と非酵素的に反応してタンパク質を糖化することが知られています。その一連の反応はアマドリ転位から始まるメイラード反応として知られ、修飾された化合物はアマドリ化合物やメイラード化合物と呼ばれています。その後、酸化や脱水反応を経て、終末糖化産物AGEs (Advanced Glycation End Products) へと導かれます。
Pentosidineに代表されるAGEsは加齢に伴う疾患に影響を及ぼすことが報告されています。
 
図1. 生体内における D-glucose とヘモグロビン N末端 Val 残基とのアマドリ転位反応

図1. 生体内における D-glucose とヘモグロビン N末端 Val 残基とのアマドリ転位反応

 
 
糖化ヘモグロビンA1c(HbA1c)は代表的な糖化タンパク質として知られる、ヘモグロビンβ鎖のN末端Val残基に血中グルコースが結合したアマドリ化合物で、糖尿病の診断マーカーとして利用されています。酵素法で HbA1c 量を測定する場合、プロテアーゼによりフルクトシル化合物である1-Deoxyfructosyl-Val-His-Leu-Thr-Pro-Glu1-Deoxyfluctosyl-Val-His (Fru-VH) を遊離させます。そして切り出された1-Deoxyfluctosyl-Val-Hisに対して、フルクトシルペプチドオキシダーゼ (FPOX) を作用させ、生じた過酸化水素を発色剤により検出することで HbA1c 濃度を求めることができます。
 
図2. 酵素法による HbA1c 測定

図2. 酵素法による HbA1c 測定

 
 
このたび、多くのご要望を頂いておりましたデオキシフルクトシル化合物類を少量包装化し、お求めやすい価格で販売開始いたしました。大容量にも対応可能です。
 
 

Code 品名 容量
24011-v 1-Deoxyfructosyl-Gly 1 mg vial
24012-v Lys(1-Deoxyfructosyl) 1 mg vial
24013-v 1-Deoxyfructosyl-Val [Fru-Val] 1 mg vial
24014-v 1-Deoxyfructosyl-Val-His [Fru-Val-His] 1 mg vial
24015-v 1-Deoxyfructosyl-Val-His-Leu-Thr-Pro-Glu 1 mg vial
3413-v Val-His-Leu-Thr-Pro-Glu 0.5 mg vial
3414-v Val-His-[D7]Leu-Thr-Pro-Glu 50 μg vial
3415-v 1-Deoxyfructosyl-Val-His-[D7]Leu-Thr-Pro-Glu 50 μg vial
3417-s Lys(1-Deoxyfructosyl[13C6]) 0.1 mg vial
3256-v Carboxymethyllysine 1 mg vial
24019-v 3-Deoxyglucosone 1 mg vial

 
 
弊社では3-Deoxyglucosone (3-DG) やCarboxymethyl Lysine (CML) などの糖化反応生成物、AGEsの製造実績も多数ございます。お気軽にお問い合わせください。
 
 

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