Urotensin II (Rat)
強力な血管収縮ペプチド Urotensin II のラット型 新発売!
魚類は、哺乳類と異なり脊髄末端近くに尾部下垂体 (urophysis) と呼ばれる特殊なホルモン貯蔵放出器官を余分に持っています。ここには神経分泌ホルモンである urotensin I (U-I) と urotensin II (U-II) があります。U-I には血圧低下作用が、 U-II には魚類の腸管や膀胱の平滑筋収縮作用があることが知られています。
最近まで、哺乳類には U-II が見つかっていませんでした。1998年にヒトの prepro-U-II が報告され[Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95, 15803 (1998)]、さらに、ヒトの U-II は強い血管収縮作用を持ち、オーファン受容体 GPR14 の活性化物質であることがわかりました[Nature, 401, 282 (1999)]。このヒトの U-II はラット大動脈やサルの冠状動脈での収縮活性は Endothelin-1 に比べ桁違いに強いと報告されています。また、 U-II 様免疫組織活性は血管と心臓組織(冠状動脈の粥腫を含む)のみならず、脊髄などの中枢神経系にも存在するので、今後、U-II がどの様な薬理作用を持ち、どの様な生理学上の役割を担っているのかの解明に、強い関心が集まっています。
ところで、ヒトの U-II が報告されて間もなく、ラットの prepro-U-II の cDNA の構造が報告されました[FEBS Lett., 457, 28 (1999)]。我々はこの prepro-UII の一次構造から、ラット U-II は [Pyr110]-prepro-U-II (Rat, 110-123) であろうと推定し、化学合成しました。その際 N-端 Gln 基は、生合成後修飾の可能性の高い Pyr (Pyroglutamyl) 基に置換しました。Davenport らは、ラット U-II およびマウス U-II は、我々同様 prepro-U-II (110-123) と推定しています[Trends Pharmacol. Sci., 21, 80 (2000)]。さらに、我々の未発表データですが、ラット大動脈標本の収縮活性を見たところ、ラット U-II はヒト U-II とほぼ同等の収縮活性を示す事を確認しました。新しく見つかったこれらの U-II と高血圧症の関連は未だに明らかにされていませんが、ラットの実験高血圧症モデルなどを用いて、これらの生理的・病理的解明がすすむのではないかと期待さ れています。
コード | 製品名 | 包装・容量 |
4371-v | Urotensin II (Rat) | 0.5 mg vial |
関連製品
コード | 製品名 | 包装・容量 | |
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14365-v | Urotensin II (Human) Antiserum | 0.05 ml vial | |
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4328-s | Urocortin (Human) | 0.1 mg vial | |
4111-s | CRF (Ovine) | 0.1 mg vial | |
4136-s | CRF (Human, Rat) | 0.1 mg vial | |
14136-v | CRF (Human) Antiserum | 0.05 ml vial |