Urotensin II (Human)  

[Endothelin-1 より強力な血管収縮ペプチド見つかる!]

魚類は哺乳類と異なり、脊髄末端近くに尾部下垂体 (urophysis) と呼ばれる特殊なホルモン貯蔵放出器官を余分に持っています。ここには神経分泌ホルモンであるurotensin I (U-I) と urotensin II (U-II) があります。U-I には血圧低下作用が、 U-II には魚類の腸管や膀胱の平滑筋収縮作用があることが知られています。

最近、ラットの脳に魚類の U-I と構造のよく似た urocortin が存在することが報告されました[Nature, 378, 287 (1995)]。このペプチドは Type-2 Corticotropin-Rereasing Factor (CRF) 受容体の活性化作用と U-I と同様の血圧低下作用があります。一方、哺乳類には U-II が見つかっていませんでした。1998年にヒトの prepro-U-II が報告されましたが[Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95, 15803 (1998)]、その作用は不明なままでした。

ごく最近、ヒトの U-II は強い血管収縮作用を持ち、オーファン受容体 GPR14 の活性化物質であることがわかりました[Nature, 401, 282 (1999)]。hut-iiラッ ト大動脈やサルの冠状動脈での収縮活性は Endothelin-1 に比べ桁違いに強いながらも、麻酔下のサルに静脈内適用した場合には、全末梢抵抗は上昇すると同時に、重篤な心収縮異常を伴いました。これは受容体である GPR14 が主に心臓血管組織に発現していることと無関係ではないと思われます。また、 U-II 様免疫組織活性は血管と心臓組織(冠状動脈の粥腫を含む)のみならず、脊髄などの中枢神経系にも存在するので、今後、U-II がどの様な薬理作用を持ち、どんな生理学上の役割を担っているのかの解明に、強い関心が集まっています。

コード 製品名 包装・容量
4365-v Urotensin II (Human) 0.5 mg vial
4371-v Urotensin II (Rat) 0.5 mg vial
14365-v Urotensin II (Human) Antiserum 0.05 ml vial


Scroll to top