Nociceptin/Orphanin FQ (ノシセプチン)/(オルファニンFQ)  

[遺伝子技術を駆使して見つかった新しいペプチド]

その作用は?生理的役割は?今後の新発見に大きな注目が集まっています。

オピオイド受容体は現在までにμ,δ,κ受容体のcDNA構造が報告されています。
これら受容体と構造類似性があるものの、内因性リガンドが不明なOrphan ReceptorとしてORL1受容体が報告されていました。[FEBS Lett., 341, 33 (1994)]

この受容体はオピオイドリガンドとは結合しないという特徴があります。最近、フランスとスイスの2つのグループがラット・ブタの脳から、この予測されていた内因性リガンドNociceptin[ノシセプチン;Nature, 377, 532 (1995)]/Orphanin FQ[オルファニンFQ;Science, 270, 792 (1995)]を単離、構造決定しました。

nocicptn

この際、cAMP産生の阻害を指標とし、卵母細胞に発現したORL1受容体を使って単離を行っています。この2つのリガンドは17アミノ酸残基からなり全く同一構造です。さらにヒト・マウスのリガンドも同一構造であることがcDNAの解析から判りました。[Proc.Natl.Acad.Sci., 93, 8666 (1996); ibid., 93, 8677 (1996)]

このペプチドは Dynorphin A と高い類似性がありますが、Dynorphin A に見られる鎮痛作用は無く、逆に疼痛促進・行動促進などの作用があります。
また、ORL1受容体は脳の広い部分に分布していますが、特に行動・記憶・学習に関与している部位に存在する点に興味が集まっています。
さ らに、PreprodynorphinからNeoendorphin, Dynorphin Bが切り出されるのと同様に、Nociceptin/OrphaninFQ Precursorから全く新しい作用を持つペプチドが出現する可能性もあり、“宝の山”に遭遇することになるかもしれないと思われています。[Nature, 377, 476 (1995)]

コード 製品名 包装・容量
4318-v Nociceptin (Human) 0.5mg vial


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