抗体精製用ペプチド 2022/05/20
ヒトIgGに特異的な親和性を有するペプチド [IgGBP-17A]と、幅広い動物種のIgGに親和性を持つペプチド [IgGBP-Z34CA]を紹介します。
いずれも鹿児島大学の伊東教授らによって開発されたIgGのFc領域に結合することが報告されているペプチドで、分子内アミノ基を介して固定化することでIgG精製用のアフィニティーカラムが作製可能です1,2)。
両ペプチドとも化学的に安定なS-C-S構造を有しており、作製したアフィニティーカラムは塩基性条件、あるいは界面活性剤、有機溶剤、変性剤で繰り返し洗浄できます3)。ぜひ一度お試しください。
ヒトIgG親和性ペプチド [IgGBP-17A]
IgGBP-17AはヒトIgG (IgG1,2,4)のFc領域に特異的に結合するペプチドです [Kd: 95 nM]1,2)。ウサギなど他の動物種IgGとの交差反応が少ないため、多種動物血清を含む細胞培養液からヒトIgGのみを精製することが可能です。
NHSカラム1 mLにペプチドを担持したアフィニティーカラムの結合容量
・13.2 mgヒトIgG/1 mLゲル(ペプチド1 mgを担持した場合)
・37.1 mgヒトIgG/1 mLゲル(ペプチド3 mgを担持した場合)
IgGBP-17Aの構造
IgG親和性ペプチド [IgGBP-Z34CA]
IgGBP-Z34CAはヒトIgGのほか、マウスやラット、ウサギIgGにも結合するペプチドです [Kd: 24 nM (ヒトIgG1)]4,5)。多種にわたるIgGを精製することが可能です。
[精製可能な動物種,サブタイプ:マウスIgG(IgG1,2b,3),ラットIgG(IgG1,2c),ウサギIgG]
NHSカラム1 mLにペプチドを担持したアフィニティーカラムの結合容量
3.2 mg ヒトIgG/1 mLゲル(ペプチド1 mgを担持した場合)
IgGBP-Z34CAの構造
Code | 品名 | 容量 |
3426-v | IgGBP-17A | 1 mg |
3427-v | IgGBP-Z34CA | 1 mg |
本製品は,鹿児島大学との特許ライセンス契約のもとに販売しております。
抗体の放射性標識目的での本製品の利用は,契約により制限されます。詳細はお問い合わせください。
アフィニティーカラムとしての使用方法 実施例
- S. Kishimoto, Y. Nakashimada, R. Yokota, T. Hatanaka, M. Adachi, and Y. Ito, Bioconjug. Chem., 30, 698 (2019). [DOI:10.1021/acs.bioconjchem.8b00865]
- 特許第5994068号
- 特願2020-186833
- A. C. Braisted, J. A. Wells, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 93(12), 5688–5692 (1996).
- M. A. Starovasnik, A. C. Braisted, J. A. Wells, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 94 (19), 10080–10085(1997).