2-NBDG & 2-NBDLG  

生細胞の可視化がリアルタイムで可能に! 高純度蛍光標識グルコースと対照化合物販売開始!!

微生物からヒトに至る多くの生物にとってグルコースは生命活動を支える重要な栄養素で、その細胞内への取り込み活性は細胞の活動度を示す基本的かつ重要な指標となります。しかしこれまでグルコース取り込み活性の計測は放射性標識体を用いて行われてきたため、細胞が生きた状態で、リアルタイムに時間経過を追いながら調べることは困難でした。

NBDG&NBDLG

グルコースの細胞内への取り込みを可視化するための試薬として、近年蛍光分子をグルコースに結合した 2-NBDG1) に期待が集まっています。2-NBDG は、細胞の生死判別の指標として食中毒菌の迅速計測に利用する目的で、松岡らによって開発されました。その後、山田・松岡・稲垣らの共同研究によって、2-NBDG が哺乳類細胞のグルコーストランスポーターをグルコースに類似したキネティクスで通過し、膵臓インスリン産生細胞におけるグルコース取り込みのイメージングに有効であることが示されました2)。さらに、2-NBDG は全身の様々な組織や器官で利用できることが次々と示され3, 4, 5)、特にグルコースを唯一のエネルギー源とする脳では、代謝に関わる新しい提案をもたらすなど、大きな注目を集めています6, 7, 8)

今回、当社では高純度の 2-NBDG を製品化しました。さらに、2-NBDGの膜への吸着の程度や非特異的膜通過の評価などに有用であり、かつ最も有効な対照化合物としてその鏡像異性体である2-NBDLGの合成を報告し9)、2-NBDGと同様、高純度の製品化に成功しました。グルコース研究にとって極めて重要な意義をもつこれらの製品が、標準物質として広く使われるものと期待されています。 なお、測定プロトコールについては下記文献5)をご参照下さい。

1) K. Yoshioka, H. Takahashi, T. Homma, M. Saito, K.-B. Oh, Y. Nemoto, and H. Matsuoka, Biochim. Biophys. Acta, 1289, 5 (1996). 2) K. Yamada, M. Nakata, N. Horimoto, M. Saito, H. Matsuoka, and N. Inagaki, J. Biol. Chem., 275, 22278 (2000). 3) J.V. Rocheleau, G.M. Walker, W.S. Head, O.P. McGuinness, and D.W. Piston, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 101, 12899 (2004). 4) K. Ohtsubo, S. Takamatsu, M. T. Minowa, A. Yoshida, M. Takeuchi, and J. D. Marth, Cell, 123, 1307 (2005). 5) K. Yamada, M. Saito, H. Matsuoka, and N. Inagaki, Nat. Protoc., 2, 753 (2007). 6) Y. Bernardinelli, P. J. Magistretti, and J.-Y. Chatton, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 101, 14937 (2004). 7) F. Blomstrand, and C. Giaume. J. Neurosci. Res., 83, 996 (2006). 8) L. F. Barros, C. X. Bittner, A. Loaiza, and O. H. Porras, Glia, 55, 1222 (2007). 9) T. Yamamoto, Y. Nishiuchi, T. Teshima, H. Matsuoka, and K. Yamada, Tetrahedron Lett., 49, 6876 (2008).

コード 品名 容量
23002-v 2-NBDG 0.5 mg vial
23003-v 2-NBDLG 0.5 mg vial


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