KYS-1
カテプシンEは、カテプシンDと並ぶ主要な細胞内アスパラギン酸プロテアーゼの一つで、 カテプシンDが全ての動物細胞に普遍的に存在するリソソーム性酵素であるのに対して、カテプシンEは胃、胸腺や脾臓などの限局した分布を示す非リソソーム性酵素です。
これらの酵素は、生理活性ペプチドの生成や外来性抗原のプロセッシング、ガンの転移 や浸潤などにおける生理的および病理的なタンパク質分解に関与していることが 知られています。
山本らは、これらの興味深い酵素の活性測定のための消光性蛍光基質として、 MOCAc-Gly-Lys-Pro-Ile-Leu-Phe-Phe-Arg-Leu-Lys(Dnp)-D-Arg-NH2を既に報告して おり、カテプシンDとカテプシンEに対する基質(弊社商品コード: 3200-v)として多くの 研究者の方々に幅広く利用されています[J. Biochem.,125, 1137 (1999)]。
今回、山本らは新たな消光性蛍光基質、KYS-1を開発し、カテプシンEに対する kcat/KmはカテプシンDに対する値の 12倍程度大きいことを認めています [特開2003-246798]。即ち、KYS-1 はカテプシンE の酵素活性を測定するための有効な 基質であるといえます。 カテプシンDとカテプシンEはともにペプスタチンAで有効に阻害されます。合わせてご利用下さい。
表 KYS-1 と 3200-v の作用の比較[kcat/Km(M-1sec-1)値]
Cathepsin E | Cathepsin D | |
KYS-1 | 11.2 | 0.92 |
3200-v | 10.9 | 15.6 |
消光性蛍光基質
コード | 品名 | 容量 |
3200-v | MOCAc-Gly-Lys-Pro-Ile-Leu-Phe-Phe-Arg-Leu-Lys(Dnp)-D-Arg-NH2 | 1 mg vial |
3225-v | KYS-1: MOCAc-Gly-Ser-Pro-Ala-Phe-Leu-Ala-Lys(Dnp)-D-Arg-NH2 | 1 mg vial |
阻害剤
コード | 品名 | 容量 |
4397-v | Pepstatin A | 0.5 mg vial |