RFamide-Related Peptide-1
C 末端に RF アミドを持つ新しい神経ペプチド見つかる!
生理活性を持つペプチドで C 末端に RFアミド(Arg-Phe-NH2) を持つものが数多く知られています。最初に軟体動物から Phe-Met-Arg-Phe-NH2 (FMRF-Amide) の構造を持つペプチドが単離され、心臓刺激作用を持つことが報告されました [Science, 197, 670 (1977) ]。次いで1983年に、トリの脳に Leu-Pro-Leu-Arg-Phe-NH2 (LPLRF- NH2) があることが報告されました[Nature, 305, 328 (1983) ]。その後も C 末端に RF アミドを持つペプチドの報告は続きましたが、ほとんどは無脊椎動物のもので、哺乳類のものはほとんど含まれていませんでした。
最近 DNA データベースの解析から、哺乳類にも多くの RF アミド関連ペプチドが存在することが知られるようになりました。武田薬品工業のグループは、ヒト DNA から RFamide-Related Peptide-1 (RFRP-1) を推定し、その部分構造に相当する12アミノ酸残基からなるペプチドを合成して解析した結果、オーファン受容体 OT7TO22 のリガンドであることを発見しました[Nat. Cell Biol., 2, 703 (2000) ]。さらに彼らは内因性に存在するのは、12残基の N 末にペプチド鎖が延長された37残基からなるペプチド RFRP-1 であることを報告しました[Biochim. Biophys. Acta., 1540, 221 (2001) ]。このペプチドは、別のグループによって NPSF (1-37) と報告されています[J. Biol. Chem., 276, 36961 (2001) ]。ヒト RFRP-1 はハムスター卵母細胞 (Chinese Hamster Ovary Cells) に発現させた OT7TO22 受容体を介し、Forskolin 刺激によって上昇している細胞内 cAMP 量を大きく減少させ、その ED50 は 21 nM でした。この活性は12残基のペプチドよりわずかに弱いものでした。これらの実験結果から、OT7TO22 受容体は RFRP-1 の C 末端を認識していると考えられます。さらに RFRP-1 抗体を使った免疫組織化学的解析により RFRP-1 は中枢、その中でも視床下部に多く存在することがわかっています。
このように、DNA の構造を元に見出された RFRP-1 が、哺乳類において機能を持っていることが証明され、今後さらに生理的役割に関しての新たな知見が得られるものと期待されています。
コード | 製品名 | 包装・容量 |
4380-s | RFamide-Related Peptide-1 (Human) | 0.1 mg vial |
関連製品
コード | 製品名 | 包装・容量 |
4142-v | FMRF-Amide | 0.5 mg vial |
4144 | Leu-Pro-Leu-Arg-Phe-NH2 | 25 mg bulk |