DPP11 蛍光基質 Leu-Asp-MCA 2015/08/19

歯周病原性細菌 (Porphyromonas gingivalis) 特異的ジペプチジルペプチダーゼ
 
 
糖を主たるエネルギー源とする多くの細菌や細胞と異なり、歯周病原性細菌 P. gingivalis は糖を代謝できません。その代わり、アミノ酸を代謝してエネルギーや炭素源とします。従って、細菌外の蛋白質やペプチドを分解して取込む機構は本菌にとっての成長戦略に深く関係します。
 
これまで、そのための分解酵素として塩基性アミノ酸特異的なエンドペプチダーゼ類 (gingipain類)、疎水性アミノ酸類に選択的な DPP7、及びプロリン特異的な DPP4の存在が知られていました。一方、アミノ酸代謝研究から重要なアミノ酸と位置付けられていた酸性アミノ酸類(グルタミン酸やアスパラギン酸)を標的とする酵素は知られていませんでした。
 
長崎大学医歯薬学総合研究科の根本孝幸教授、根本優子准教授らのグループは、世界で初めて酸性アミノ酸特異的な DPP11 を発見し、P. gingivalis の増殖に欠かせない酵素であることを明らかにしました1)
 
弊社では、根本教授らのご助言により、DPP11蛍光基質 “Leu-Asp-MCA” を販売することになりました。本基質に加えDPP7蛍光基質“Met-Leu-MCA”も新製品2),3)として販売を開始しており、更には下表の基質を合わせて用いることで、歯周病原性細菌研究が一段と加速することが期待されます。
 
 

Code 品名 容量
3235-v Leu-Asp-MCA (for DPP11) 5 mg vial
3236-v Met-Leu-MCA (for DPP7) 5 mg vial
3090-v Gly-Pro-MCA (for DPP4) 5 mg vial
3095-v Z-Phe-Arg-MCA (for Arg-Gingipain) 5 mg vial
3107-v Boc-Phe-Ser-Arg-MCA (for Arg-Gingipain) 5 mg vial
3215-v Z-His-Glu-Lys-MCA (for Lys-Gingipain) 5 mg vial

この記事に対する質問 ・ お問い合わせ

  1. Y. Ohara-Nemoto, et al., J. Biol. Chem., 286, 38115 (2011).
  2. S.M. Rouf, et al., Biochimie., 95, 824 (2013).
  3. S.M. Rouf, et al., FEBS Open Bio., 3, 177 (2013).


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